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近所の飼い犬に襲われた 犬への損害賠償請求

Q.
私は毎朝ウォーキングをして近所の公園でストレッチ体操をするのが日課です。
ある日、いつものように公園に行ったら、手綱をはずされた大きな犬が私に向かって突進してきました。びっくりして逃げようとしたら転倒し、骨折。入院、通院を余儀なくされました。
それ以降、天気の悪い日には足が痛むし、怖くてウォーキングにも出かけられません。飼い主に治療費と慰謝料を支払うように求めたのですが「うちの犬は悪くない。そっちが勝手にこけたのだから」と、とり合ってくれません。
飼い主に損害賠償は請求できないのでしょうか?
(62歳 女性)

A.
大型犬が突進してくれば誰でも恐怖を感じますし、慌てることでしょう。悪い犬!と言いたいところですが、犬に責任を追及することはできません。動物占有者の不法行為として、犬の飼い主に責任を追及するのは当然のことです。


・怪我の状況に応じた治療費や慰謝料が請求できる

民法718条では「動物の飼い主はその動物が他人に加えた障害を賠償する義務がある。ただし、動物の種類及び性質に従って相当の注意をもって保管していたことを立証した場合は損害賠償責任を免れる」とあります。
今回の場合は公園という公共の場所で、手綱もつけずに犬を放している状況がそもそも間違っています。「動物の種類及び性質に従って相当の注意をもって保管していた」ことにはならないのは明らかで、噛まれて怪我をしたか、驚いて転んで怪我をしたか、ということに関係なく、飼い主に損害賠償を請求することができます。
請求できるものは「治療費」「通院費」のほか、治療のために仕事を休まなければならなかった場合は「休業損害」、精神的・肉体的苦痛に対する「慰謝料」などです。
なお、慰謝料は入院、通院及び怪我の程度によってその額は異なります。相談者は骨折したということですから、かなりの期間の入院、通院を余儀なくされていることでしょう。その上に、この事故以降、「怖くて散歩にも出かけらない」ということですから、心の傷も負ったことになります。その分も慰謝料に加算して請求することができるでしょう。また後遺症が出そうな場合は、出たことがはっきりしてから、請求します。


・飼い主が応じない場合は専門家を間に入れて交渉

「うちの犬は悪くない。そっちが勝手にこけたのだから」と飼い主が言っているそうですが、損害賠償の請求に応じない場合は、弁護士会の紛争斡旋センターに相談するか、家庭裁判所に調停を依頼するとよいでしょう。費用は弁護士会の斡旋で1回1万円程度。骨折・入院までしているのですから、断固請求したほうがよいでしょう。
弁護士会の斡旋でも家庭裁判所の調停でも、話がまとまらない場合は裁判を起こします。その場合、130万円以下の事件の場合は、認可司法書士が案件を引き受けられるので、司法書士を依頼するのも1つの方法です。弁護士費用よりは安いでしょう。

ところで民法178条に「~ただし、動物の種類及び性質に従って相当の注意をもって保管していたことを立証した場合は損害賠償責任を免れる」とありますが、このケースで飼い主の責任が免れるのは、被害者によほど落ち度があった場合のみ。例えば、泥棒が、侵入した家の飼い犬に噛まれることなどが典型的な例です。
とにかく犬の飼い主は犬のしつけをしっかりして、多くの人と出会う散歩中は、トラブルを起こしやすいので気を引き締めてください。特に子どもやお年よりも集まる公園では、手綱をしっかり持って決して放さないようにしましょう。犬に罪はなく、すべては飼い主の責任なのですから。
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