自転車との接触事故について
高齢の母が歩道で自転車と接触。骨折したが、相手に責任をとってもらうことはできる?
Q 78歳の母が、歩道を走ってきた自転車にはねられて骨折しました。相手は、「ずいぶんベルを鳴らしたから母が当然よけるだろうと思っていた。ちゃんと自転車をよけなかった母にも、少しは責任があるのでは」と言っています。母は耳が遠いので、自転車がすぐそばに来るまで気付かなかったようで、気付いたときはすでによけきれなかったのです。高齢ですし、骨折が原因で、このまま寝たきりになったらどうしようかと不安です。怪我を負わせた相手に、入院費や慰謝料で責任をとってもらうことはできますか?(56歳 女性)
歩道では歩行者優先
自転車側に過失がある
A 自転車は大人も子供も日常的に使用している乗り物ですが、道路交通法では軽車両として車両の一種として位置づけられています。ですから自動車に適用される規則は、ほとんど適用されています。
酔っ払い運転や信号無視はもちろんのこと、携帯電話をかけながらの運転や傘をさしながらの片手運転なども違反。車と自転車では被害者に与える危険の度合いが異なりますし、生活上どうしても必要に迫られて違反状態が出てくるケースもあるので、通常そんなに厳しく取り締まっていませんが、実際に事故が起きたとなると、法律的な枠組みの中で判断していくことになります。
今回のケースはお母さんが自転車と接触して転倒、骨折したということですね。
そもそも歩道は歩行者優先と言うことが決まっています。よく歩道でチリン、チリンとベルを鳴らして歩行者によけてもらって走っている自転車がありますが、本来それ
はおかしいのです。歩行者優先ですから自転車側が歩行者をよけて走るべきで、それができない状況であれば、自転車から降りて押して歩くか、車道を走るかするべきなのです。
ですからお母さんのほうが、自転車の前に急に飛び出したなどの過失がない限りは、自転車サイドに過失があることになります。
骨折したとなるとお母さんにケガをさせた自転車に乗っていた人に、治療費と慰謝料を請求することができます。慰謝料の金額は入院治療が必要であったかどうか、通院がどのくらい長引いたか、後遺症が出た場合は、1~14級の後遺症のランクに応じて判断されることになります。
自転車に乗る人はTSマーク付帯保険を利用
誰もが日常的に利用している自転車ですが、自転車事故でも多大な補償を負う場合があるのです。実際自転車と歩行者が衝突して歩行者を死亡させる事故も起きています。これが自動車事故ですと、ほとんどのドライバーが保険に加入しているため賠償の支払いができますが、自転車事故の場合は保険未加入で十分な賠償支払いができないケースもあります。自転車をよく利用している人は、TSマーク付帯保険というのがありますから、これを利用することをおすすめします。
TSマーク(TRAFFIC SAFETY)制度とは、自転車安全整備士が普通自転車を点検、整備して安全の確認をしたときに貼られるマークです。このマークが貼られている自転車には傷害及び賠償責任保険が付加されます。TSマークの貼られた自転車を運転中、事故を起こした場合は、死亡、重度後遺症傷害に対する傷害保険金や賠償責任保険金が最高限度額2000万円支払われます。
加入方法は「TSマーク」のついた自転車安全整備の看板のあるお店で、点検・整備を行い、TSマークを貼付してもらいます。(手数料が必要)TSマークに付帯した保険の有効期間は、TSマークに記載されている点検日より1年間(記載された日の1年後に当たる日の午後13時まで)で、TSマークに点検年月日と自転車安全整備士の登録番号が記載されていない場合は無効となります。
車を車検に出すのと同じように、自転車も定期的に点検・整備を行い、TSマーク貼付を習慣づけたいものです。