貯金通帳を拾って届けた場合謝礼はもらえるものですか?
Q 先日、預金の入った通帳を拾い、交番に届けました。その後、落とし主が出てきたと連絡がありましたが、現金でなく、通等を拾った場合でも、謝礼はいただけるものでしょうか?もし、もらえるとすると、どの程度もらえるものなのでしょうか?(67歳・男性)
遺失物法に基づいて5~20%の謝礼が生じるが・・・
A 遺失物法という法律があり、ここで遺失物というのはお金に限られていません。他人の落し物、置き忘れたもの全てがその対象で、家畜やペットなども含みます。交番に届けた落し物が三ヶ月たっても落とし主が分からない、または取りに来なかった場合は、拾った人のものになります。拾い主による落し物の引き取り期間は権利が発生してから2ヵ月間です。警察からは落し物の引き取りについて、改めて通知されませんので、「取得物件預かり書」や「お知らせハガキ」を大切に保管しておくことが必要になります。
今回のケースは、持ち主が現れ、無事返還されたという事ですね。通常、拾い主に対する謝礼(報労金)は、そのものの価値の5~20%の範囲と決められています。
遺失者に変換されたときに、管轄の警察より連絡が来るので、謝礼は1ヶ月以内に請求します。5~20%という幅があるので揉める場合もありますが、相手と話し合って、折り合いがつかない場合は、裁判で決着をつけることになります。
貯金通帳の額面が通帳の価値とはいえない
実際には裁判所がケースバイケースで、中をとった判断を示し、当事者双方に和解させることが多いようです。
ただし今回拾ったのは貯金通帳。この場合、謝礼が預金通帳の額面の5~20%ということにはなりません。なぜなら、銀行に届出さえすれば、引き出しはストップされ、預金は銀行にプールされます。また、通帳だけで貯金の払戻しができるわけでもありません。つまり貯金通帳の額面が、そのまま通帳の価値とイコールではないのです。
遺失物法は、持ち主が支払う報労金について、物件の価格の5~20%と定めています。したがって拾ったのが現金ならその額の5~20%となります。ただし過去の判例では、現金以外の小切手や手形を拾ったケースについて、実際に額面相当の損害を被る危険の程度の有無などを考慮して、報労金の算定となるべき価格を決めるとしています。判例の中には手形については額面の10%、日銀小切手については額面の2%を物件の価格とするものがあります。貯金通帳は手形や小切手と比べると、他人が通帳を持っていても、預金が引き出される危険はあまりありません。従って、物件の価値はほとんどないと考えられます。たとえ1億円の預金通帳を拾得し、持ち主が現れたとして、その謝礼はかなり低い額になります。
ちなみに携帯電話や運転免許証、カード類など個人情報が入った落し物については、個人情報の保護の観点から落とし主が見つからない場合でも、拾い主が落し物を取得することはできません。ただし、落とし主が判明した場合に、お礼をもらうことはできます。この場合、拾い主は自分の氏名などを落とし主に知らせることになります。拾い主はそれに同意しないとお礼をもらうことはできなくなります。