法テラス

〒160-0022 東京都新宿区新宿1-14-10 KOA新宿ビル4F tel:03-3352-2521
Copyright2007  KIMURA LAW OFFICE  All Rights Reserved.
サイトマップ

ラッシュ時に押されてケガをした 鉄道会社に補償してもらえる?

Q ラッシュ時の電車に乗ったとき、押されて転倒し、骨折してしまいました。誰に押されたのかは分からないのですが、この場合、鉄道会社に医療費の請求をすることはできますか?それとも、誰だか分からない押した人間を探して、その人に請求することになるのでしょうか?(62歳 女性)

押した人が特定できないと医療費を請求するのは難しい

A どういう状態で押されて転倒したのかにもよりますが、3つのケースが考えられると思います。
 一般的にラッシュの電車の中で、降りようとしたときに後ろから押された場合は、鉄道会社には法律上の責任はないと考えるのが普通です。電車がいちじるしく混んでいた、ということについて、確かに鉄道会社に社会的責任はありますが、そのことが転倒してしまったあなたに対して「不法行為」になるか、というと難しいでしょう。
 民法709条が定める「不法行為」とは、故意または過失によって、他人の権利、または法律上保護される利益を侵害したものは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う、というものです。乗客はラッシュの時間帯で満員電車だということを承知して乗っているわけですから、特別のことがない限り、鉄道会社の責任は問えないということになります。鉄道会社に医療費を請求するというのは見当違いでしょう。自分の健康保険で治療するしかありません。
 どうしても医療費を誰かに請求したいのなら、押した犯人を捜し、犯人に対して請求するしかありません。もし、ラッシュ時に、故意に後ろから押して転倒させたとなれば、これは傷害罪です。ただ、後ろの人もそのまた後ろから押されたかもしれませんし、立証するのはかなり難しいでしょう。
 犯人を特定するには、その場でみんな協力して犯人を捕まえ、警察に突き出さない限り、損害賠償(民事事件)も、傷害罪(刑事事件)での告訴も、なかなか難しいでしょう。

鉄道会社の職員が関わっている場合は会社に請求できる

 転倒の際に鉄道会社の職員が関わっていたとなれば、状況は異なります。朝のラッシュ時など、乗客を詰め込むために、駅の職員が押すことがあります。それだけで、転倒することは普通ありませんが、中から押し返されて転倒した、圧迫されて骨折した、というようなことであれば、問題は変わってきます。もう満員でこれ以上乗せるのは無理なのに乗客を乗せたため、ケガをさせたということであれば、被害者は鉄道会社に責任を問うことができるでしょう。
 この場合は、「あの状態で押し込むのはいくらなんでも無理だろう」など、目撃者の証言があり、職員が無理な押し方をしたことで転倒した、ということを証明する責任は被害者側にあります。どうやってその現場にいた人の協力を得られるかが大きなカギになりそうです。

通り魔的犯罪であれば国に損害給付金を請求できるかも

 最近起こった事件のように、プラットホームで電車を待っているときに後ろから突き落とされた場合。これは明らかに殺人罪です。警察に届けて操作してもらうしかなく、鉄道会社に損害賠償を請求することはできません。
 こうした通り魔的犯罪で死亡したりケガをして、加害者が見つからない場合は、「犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律」というのがあり、国に損害給付金を請求することができます。
 損害給付金を受けられるのは、不慮の死を遂げた人の遺族(遺族給付金)、全治一ヶ月以上の重症病を負った人(重症病給付金)、後遺症が残った人(障害給付金)などで、最高額で300万円~400万円です。各都道府県の公安委員会に対して、給付金を請求します。質問者の場合にも、ケガの程度によってはこの給付金が得られるケースがあります。
過去の記事
2009年1月号
2008年11月 ① 
2009年1月号
2008年 11月号
2009年1月号
2008年12月号①
2009年1月号
2008年12月号②
2009年1月号
2009年1月
2008年10月号
2008年10月号 遺失物を届けたときの謝礼について
2008年10月号
2008年10月号 ② 英会話学校を途中でやめる場合
2008年9月号
2008年9月号 郵便配達の誤配について
2008年9月号
2008年9月号 再就職先でのトラブル
2008年7月号
2008年8月号 満員電車での事故について
2008年7月号
2008年7月号 天気予報に責任をとって欲しい!
2008年7月号
2008 年6月号 ①介護施設での事故について
2008年7月号
2008年6月 ②輸入食品での食中毒
2008年6月号
2008年5月号 ②カードの詐欺について
2008年6月号
2008年5月 ①遺産相続の時効について
2008年5月号
2008年4月号 ①ペット禁止の管理規約を変更したい
2008年5月号
2008年4月号 ②遺産分割後の変更について
2008年3月号(2)
2008年3月号 ①ゴルフ場の預託金を返してくれない
2008年3月号(1)
2008年3月号 ②スキー場での事故について
2008年2月号(2)
2008年2月号 ①マンション外観の広告について
2008年2月号(1)
2008年2月号 ②認知症の夫ともう暮らしたくない
2008年1月号
2008年1月号 ②年金証書が借金のカタに
2008年1月号
2008年1月号 ①借家人に立ち退いてもらいたい
2007年12月号
レンタカーでのトラブルについて
2007年12月号
消費者金融の保証人にされていた場合
2007年11月号
葬儀代金の支払いについて
2007年11月号
子供のいない夫婦の財産管理について
2007年10月号(2)
災害時の事故について
2007年10月号(1)
手抜き業者をめぐるトラブル
2007年9月号(2)
住居専用マンションでのトラブル
2007年9月号(1)
これって霊感商法?
2007年8月号(2)
バック旅行でのトラブル
2007年8月号(1)
土地を貸す場合の注意
2007年7月号(2)
知人とのお金の貸し借り
2007年7月号(1)
フランチャイズ契約
2007年5月号
隣人のカラオケ騒音について
2007年4月号(2)
連れ子の財産相続
2007年4月号(1)
ワン切りの請求
2007年3月号
マイカー通勤時の事故
2007年2月号(2)
自治会への加入について
2007年2月号(1)
会員制リゾート
2007年1月号(2)
介護と相続
2007年1月号(1)
再婚後の相続権
2006年12月号(2)
精神的DV
2006年12月号(1)
家の建たない土地を買わされた
2006年11月号
在宅ワーク詐欺
2006年10月号(2)
手形の支払いを拒否したい
2006年10月号(1)
マンションでの水漏れ
2006年9月号
近所の飼い犬に襲われた
2006年8月号
親の借金の相続
2006年6月号(2)
賃貸住居退去時のトラブル
2006年6月号(1)
出資金が戻らない
2006年4月号
熟年離婚について
2006年3月号
ネットショッピングでのトラブル
2006年2月号
ご近所とのトラブル
2006年1月号
遺言状の書き方
前のページへ戻る 前のページへ戻る ページ先頭へ戻る ページ先頭へ戻る