ゴルフ場の預託金を返してくれない
●ゴルフ場に預託金の変換を求めたら待ってほしいと言われたが仕方ないことなのか?
Q 私はゴルフ場の正会員になり入会金300万円、預託金1500万円を支払い、毎年会費も払ってきました。預託金の据え置き期間が過ぎたので、その預託金の変換を申し入れたところ、据え置き期間を延長したので5年間待ってほしいといわれました。こんな勝手な延長は認められるのでしょうか。また、その間も年会費を払う必要があるのでしょうか?(65歳 男性)
A ゴルフ場の会員は、入会時に高額のまとまった金をゴルフ場に預託し、ゴルフ場側では、その金を一定年限の据置期間中は無利子で運用することができます。しかしその据置期間が経過したとき、会員が返還を申し出た際には、ゴルフ場は返還に応じなければなりません。預託近世の会員とゴルフ場を経営する会社との関係は契約関係であり、通常その契約内容は募集のパンフレット、預託証券、会則などに記載されています。会則は、たてまえ上は「ゴルフクラブ」や「友の会」などのメンバーを規律する規則となっていますが、実際は会員とゴルフ場会社との契約の内容を示すものです。
預託金返還問題の考え方はバブル崩壊後に変わってきた
この預託金の据え置き期間については、最初に決めた年月をゴルフ場側の都合で勝手に延ばすことはできない、というのが従来の考え方でした。たとえ会則で据え置き期間の延長を理事会の決議によって延長できる、と定めている場合でも、ここの会員が預託金の返還を求めた場合は、据置期間を伸ばすことはできないというのが裁判所の考え方でした。
しかしバブル崩壊を経て、経済の復調の兆しが見えるここ数年で、この考え方に変化がありました。平成14年頃から預託金の据置期間を5~10年延ばすことによって、傾いていた経営を再建できるような場合は、会員全体利益を守るために預託金据置期間の延長を認める判例が出るようになったのです。
会員全体の利益を考えると据置期間延長に従うべき
そもそも預託金据置期間の延長を希望するゴルフ場は、例えばメンバーの2~3割の人から預託金の返還を要求されたら、経営が傾くようなところです。バブル崩壊という経済の急変に巻き込まれ、一旦経営危機に陥ったけれど、その後の経営努力によって売り上げを回復しているようなゴルフ場の場合でも、預託金返還を求める人が、1/3出てしまったとなれば再建できなくなってしまいます。残り2/3の人は、延長するのに同意しているのに、1/3の人のためにゴルフ場が倒産してしまっていいのか、ということなのです。会社が倒産してしまっては、預託金を返還してもらうことが全くできなくなってしまいます。
こうした理由から、ある程度の年数内に再建できる可能性が高い場合、理事会の多数決で延長が決められた場合に限っては、その決定に従わざるを得ないというのが現在の主流の考え方です。どうしても延長が嫌な場合は会員権を売却するしかありませんが、経営が不安定になっているゴルフ場の会員権は売買がストップされていることも多いので、難しいかもしれません。
年会費については、理事会にはかり、安くするように提案すればよいと思います。経営再建中なのですから会費ゼロというのは無理だと思いますが、半額にするなどは可能かもしれません。