スキー場での事故について
●スキー場で突然転倒した女性にぶつかって怪我をさせてしまった。
治療費や慰謝料を払わなければならないか?
Q 昨年末に長野でスキーを楽しんでいた時、前方にふらふら滑っている女性がいました。大丈夫だろうかと思いながらも、そのまま滑っていましたが、突然、女性が横に転倒したため、危ないと思った瞬間に激突。女性は腕を骨折し、歯を折る怪我をしました。その後、謝罪をしましたが、後から治療費とともに慰謝料請求の通知が届きました。相手が勝手に転んだことなのに、私が治療費や慰謝料を払わなければならないのでしょうか?(57歳 男性)
A スポーツに怪我というのは、付き物です。ある程度の範囲では、怪我もありうることが前提で、怪我をさせたらどんな場合でも責任があるということになったら、スポーツそのものが楽しめなくなってしまいます。ですから、普通に歩いて怪我をさせられたときとは、状況は違います。そこで1つの目安となるのが、それぞれのスポーツのルールとマナーです。
人の動きに注意し安全に滑っていたかがポイント
スキーの場合ですと、ゲレンデでは、お互い見えている人に気をつけて、ぶつからないように滑るのがルールの基本です。問題は、見通しが悪い場所での場合。見えないところにも人はいるかもしれないので、そういう予想をしながら、人がいても危なくないように滑らなければなりません。ゆっくり滑る、ジャンプをしない、などの配慮が必要だということです。狭いところで滑る場合も、お互いに同じところに突っ込んでしまう可能性があるので、よく注意することが大切です。
つまりスキー場では常に人の動きに注意を払いながら、お互いに安全に滑るということがルールでありマナーなのです。相談者の場合は、それに反していたかどうかが問題となります。
事故は双方に責任がありその責任の範囲を検討する
滑っている途中で突然、横に女性が転倒した。自分が普通のマナーで滑っていた進行ルートに相手が急に飛び出してきたとなれば、これは予測できないことですから、責任を取る必要はないかもしれません。
しかし、狭い場所で人が急に集中しやすくなっているようなところであれば、誰かが転倒したら必ず人とぶつかってしまいます。そういう場所であるならば相手が転倒した場合でも、こちらも注意が必要だったということになり責任が生じることがあります。但し、転倒したほうにも責任がありますから、全面的にこちらが悪いということにはなりません。あなたの相談では「前方でふらふら滑っている女性が・・・」とあります。その女性がスキーヤーの若葉マークであることは予測でき、転倒についてもある程度予測の範囲内であった。それなのに注意を怠った、ということがいえるかもしれません。ただ、そこが上級者用のゲレンデであれば、初心者なのにそんな場所で滑っていた、ということで転倒した人の落ち度のほうが大きく見られるかもしれません。つまり責任の範囲は、事故が起きたときの状況や互いの行動をかんがみてバランスをとりながら決まるのです。
責任の有無ということになると、全然予測できない自己であったとすれば責任はなし。ある程度予測ができたとなると、責任はあるけれど、責任の割合がケースバイケースで変わります。
相手からいきなり治療費と慰謝料を請求されたということですが、今回のケースですと相手側にも過失があり、こちらの責任もゼロではなさそうです。その責任の割合は相談内容から推測すると3割程度でしょう。しかしそれも事故があったときの状況で変わります。その判断は素人では難しいので、弁護士に相談したほうがいいでしょう。弁護士への相談は30分5000円くらいが相場です。
事故時の現場の状況や事実について双方で見解が異なる場合は、調停なり裁判をやって白いうろつけるということになりますが、まずは弁護士会の紛争解決センターに相談することをおすすめします。