熟年離婚について
Q.
子どもたちも独立して夫婦だけの暮らしになりました。夫は5年前にリタイアし、今は特にやることもなく毎日テレビばかり見て過ごしています。これまでは仕事仕事で、家庭や子どものことをすべて私にまかせっきり。家に居るようになったら少しは家事などにも協力してもらえるかと思っていたのに、まったく手伝ってくれません。それどころか、一日3度も食事を作らされ、私が出かけるときはどこに行くのか、何時に帰るのかとしつこく問いただします。この先もこんな生活が続くのかと思うとうんざりです。離婚をして自由になりたいと思うのですが、具体的にはどうすすめればよいのでしょうか?私はずっと専業主婦です。年金や財産などの分与は認められますか。
(58歳 女性)
A.
昨今は「熟年離婚」という言葉が流行語になるほど、年々増える傾向にあるようです。
しかし暴力を振るうわけでもなく、浮気をしたり、ギャンブルに興じるわけでもない夫なら、妻が離婚をしたいと考えているとは、思ってもいないことでしょう。
・離婚を切り出す前にまずは話し合いをもとう
相談者の離婚したい理由から推察すると、ご主人は定年後の新しい暮らしに、まだ適応できていないようです。リタイアした今も、働いていた頃の生活習慣がそのまま残っていて、料理を作ってもらう、掃除をしてもらうのは当たり前。変わらなければいけない、と気がついていないのです。離婚を切り出す前にまずご主人と今後の夫婦の暮らしについて話し合ってみるべきだと思います。家事を分担する、何か趣味を持つようにすすめるなど、夫を教育するようにしてみてはいかがでしょう。夫婦だけの話し合いでダメな場合は、両方の立場が分かる第三者に入ってもらい話し合うようにします。何度話し合っても夫の理解が得られず、生活態度が改善されない場合には、今後一緒に生活し続けることが難しいと告げるしかないでしょう。
日本では協議離婚、調停離婚、裁判離婚の三種類の離婚手続きがあります。
互いに話し合いで納得できれば、離婚届を作って提出するだけで協議離婚ができます。
しかし、夫婦の話し合いで円満解決することが難しい場合は、家庭裁判所の調停を利用する方法があります。裁判官と2人の調停委員とで構成された調停委員会が話し合いの斡旋をしてくれますから、お互いの気持ちを第三者をまじえて冷静に話し合うことができるでしょうし、助言を受けることもできます。
それでもうまくいかない場合は離婚を求める側(今回の場合は妻側)が裁判を起こすことになります。
離婚裁判の場合には、不貞、暴力、経済的な問題の他、性格の不一致なども婚姻関係を継続できない理由となります。今回の場合の離婚は性格の不一致が原因となるでしょう。
・夫婦で築いた財産は分配可 退職金も受け取る権利が
離婚をした場合の財産分与に関しては、夫婦共同で築いた財産を互いの寄与度に応じて分配します。
夫婦で維持してきた不動産や夫の退職金も分配の対象になります。
財産分与は2(夫):1妻(専業主婦)といった原則がありますが、分与額の算出は意外と難しく、話し合いで決着しない場合は、裁判で決めることになります。
厚生年金に関しては、今まで離婚後は老齢基礎年金しかもらえませんでしたが、2007年4月以降は「離婚時の厚生年金分割」の導入が開始されます。つまり2007年以降に厚生年金に加入している夫と離婚した妻は、夫婦の間で合意が成立した場合に限り、婚姻期間中の夫の厚生年金(比例報酬部分のみ)を最大50%ずつに分割して、妻が受け取れるようになります。これを受けて「2007年4月まで離婚を我慢する」という人がいるようですが、必ずもらえるわけではありません。
結局あまり変わらないということもありえるので、よく調べることをおすすめします。
いずれにしても、ただちに離婚を考えるのはおすすめではありません。まずはよく話し合い、お互いに努力をしてみてください。夫婦で一緒に楽しむ趣味を持つのもいいでしょう。
最近では「男の料理教室」など趣味のクラブも多くあり、自治体などでは「男性の老後の自立をどうするか」などの講座も開かれているようです。そういった講座に参加することを促してみてはいかがでしょう。
離婚を決心するのは、それからでも遅くないのですから。