年金証書が借金のカタに
●金融業者からお金を借りたら、年金証書を担保にとられてしまった
Q 株の信用取引で追証(追加保証金)を支払うために、金融業者に借金をしました。その時、年金証書を担保にとられてしまいました。このまま年金をもらえなくなってしまうと生活ができません。どうしたらよいのでしょうか?また、事故破産した場合は、年金の権利はなくなってしまうのですか。(65歳 男性)
A まず、国民年金や厚生年金は、これを譲渡したり、借金の担保に入れたり、差し押さえたりすることができない、と法律で決められています。また貸金業法でも年金証書や年金が振り込まれる預金通帳、引き出し用のカードなどを、債権の弁済を受けることを目的に保管してはならない、と決められています。
これに違反すると1年以下の懲役など重い処罰規定があり、登録している貸金業者であれば業務停止となりますまた、無登録で貸金業をやっていたとすれば、その業者は10年以上の懲役など処罰の対象となります。
ですからあなたは金融監督庁、または警察の生活安全化に状況を訴え、懲らしめてもらえば年金証書は必ず戻ってくるでしょう。自分で訴えるのが恐い場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
金融機関に申し出て支払い口座の差し止めを
年金証書を担保にとるような金融業者は、ほとんどが“闇金”と呼ばれる悪質な無登録の貸金業者です。闇金の場合は、事務所の住所などを公表しておらず、たいがいは折込チラシなどで勧誘し、携帯に電話させる、という方法をとっています。
闇金業者を相手にする場合は、弁護士に相談して解決してもらうことをおすすめします。弁護士に依頼すると、相手の携帯に電話をして「違法行為をやめないと、こちらとしては警察に告発してこの携帯電話の持ち主を特定し、刑事事件にする。また振込口座も、違法な貸付金の回収にあてられているので、金融機関の方に口座利用の差し止めをさせるように手続きをとる」ということをはっきり申し渡すとともに、支払い口座については、実際に金融機関に申し出てストップしてもらいます。そうすると大体、請求はなくなるでしょう。
年金証書については住所地所轄の社会保険事務所に行って、紛失してしまったことを理由に再発行の手続きをとります。この時、身分を証明できるものと印鑑を持っていくことを忘れないようにしましょう。
貸金業者に預金通帳やカードを取られている場合は、銀行に行って口座をとめてもらい、年金は新しい口座に振り込んでもらうようにします。
自己破産しても年金は守られる
弁護士や弁護士費用に困っている場合は、日本司法支援センターの法テラス(TEL0570-078374)に相談しましょう。弁護士費用を立て替える制度もあります。
なお自己破産した場合ですが、財産は破産管財人に処分権がゆだねられますが、公的年金の受給権は破産宣告時の財産処分の対象とされません。全ての財産を失っても、年金は生活のよりどころとして守られ、破産宣告後も引き続き支給されます。