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災害時の事故について

台風のとき近所の門扉が飛んできて車が傷ついた


 台風で近所の家の門扉が飛んできて、我が家の駐車場の上に落ちてきました。退職金で買ったばかりの新車の高級車がひどく傷つき、ショックです。家主に門扉の撤去と車の修理代の支払いを請求できるでしょうか?その家はかなり老朽化していて、老夫婦が住んでいるようです(61歳・男性)


 まずはその家の所有者が誰か、ということを調べてください。住んでいるのが老夫婦でも借家かもしれません。住んでいる人が持ち主であれば、その人に損害賠償を求めることになります。借家であれば、建物の持ち主または管理責任者(不動産管理会社など)に損害賠償を請求することになるでしょう。

 依然、強風で看板が落ちたケースがありましたが、あれも建物の管理責任となりました。持ち家であれば、管理責任は建物の持ち主となります。
 ただし、家を借りている賃借人の場合は、家主、または管理している不動産会社に修繕義務があるので、賃借人に修繕義務は発生しないと思われます。これが息子名義の家で賃料を払わずに住んでいる、というようなケースであれば、この老夫婦は建物の占有者とみなされ責任が発生するでしょう。

門扉の強度が十分であったかどうかがポイント

 民法717条に、土地の区お作物の設置または保存に欠陥があって、他人に損害を与えたときは、その工作物の占有者は被害者に損害を賠償しなければならない、と定めています。これは所有者でも占有者でも責任は同じです。
 土地工作物とは建物、家屋や丙、看板など、不動産屋それに付着しているものを言います。したがって門柱や門扉なども土地工作物の一部。
 欠陥があって、その欠陥のために門扉が飛んで車を傷つけた、という関係が認められれば損害賠償を請求することができます。欠陥があったかどうかということは、ある程度の強風が吹いても門扉が飛ばないだけの補修がされていたかどうか、という点。一般的には風速40メートル程度の「想定内」の台風であれば、それに耐えうる程度の門扉にしておかなくては欠陥であったということになります。故意、過失の有無に関わらず、損害が発生した場合に、その賠償責任を負ってもらうことになります。
 しかしこれが未曾有の大型台風で、門扉は通常有すべき安全性があったにもかかわらず、予期せぬ強大な自然の力が働いて吹き飛ばされた、というような場合には、所有者であれ占有者であれ責任を負う義務はないといえます。災害対策基本法に基づいた処置となりますが、家屋の損壊などが多発している場合は、車の傷程度のものは泣いてもらうことになるケースが多いようです。

車の修理費、格落ち分も合わせて損害賠償請求する

 車が傷ついた場合、車同士の事故であれば保険会社が入りますが、そうではないので直接損害賠償の請求を出します。具体的には飛んできた門扉の撤去費用やダメージを受けた駐車場の補修代、車の修理代などを見積もってもらい請求することになります。車は購入したばかりの高級車ということですが、傷ついた車は修理しても査定で格落ちしてしまうことがあります。この場合は一般的に修理費の2~3割を格落ち分として上乗せして請求します。
 先方が損害賠償請求に応じない場合は裁判を起こすことになります。この場合、金額が140万円までの裁判であれば、弁護士ではなく認定の司法書士に依頼することができます。費用は弁護士費用より安いでしょう。
 台風ですからシートカバーをかけておく、駐車場を補強しておくなど、自分で防御策をとらなかった責任を追求される場合もあります。そういう場合は被害者のほうにも過失があったということで、賠償額が減額される場合もあります。裁判ではそういったことも考慮し、裁判官が程よいところで和解案を出してくれるのではないかと思います。
過去の記事
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