フランチャイズ契約をめぐるトラブル
●フランチャイズ契約をめぐるトラブル
赤字続きのコンビニ経営
契約解除に高額な違約金を請求された
Q.
3年前に会社を退職し、素人でも安心との宣伝文句にひかれコンビニのオーナーになりました。契約前の説明では月1200万円の売り上げがあり、フランチャイザーへのチャージや経費を差し引いても63万円の利益が見込めるといわれました。しかし実際に経営すると売り上げは上がらず、売れ残った弁当の廃棄にお金が驚くほどかかったり、万引きによる損害も大きく、毎月赤字になっています。労働時間も長く体も不調なので、契約を解除しコンビニ経営をやめたいのですが、契約を解除すると平均チャージの6か月分、または10か月分の高額な違約金を支払うことになっていて、やめるにやめられない状況です。どのようにしたらいいのでしょうか?
A.
24時間営業のコンビニは、今や消費者にとってなくてはならない存在ですが、赤字経営になってもすぐに事業から撤退できず、「進むも地獄、退くも地獄」の状況に陥る加盟店が少なくありません。「現代の奴隷制度」と言われているほどで、1つの社会問題となっています。
・契約締結時の説明が欺瞞的でなかったか検証
そもそもフランチャイズ契約とは、フランチャイズチェーンの本部機能を持つ事業者か契約の相手方に対して、一定の地域内でチェーン本部の看板を使用したり、営業指導、商品提供をする代わりに、契約者はその対価(ロイヤリティ)を支払うという契約のことです。一般的にフランチャイズシステムは、店舗経営の知識や経験があまりなく、資金力も十分でない人が勧誘される場合が多く、契約内容は本部のほうに圧倒的に有利になっていることがほとんどです。
フランチャイズ契約を提携する場合、本部の担当者員が売り上げ予測や純益の見通しを提示して勧誘するのですが、今回のケースでは、まず契約締結の再に受けた説明が不十分だった、あるいは欺瞞的なものであったことを主張して、違約金を減額する交渉をする方法が考えられます。契約前に説明された「月1200万円の売り上げがあり、フランチャイザーへのチャージや経費を差し引いても63万円の利益が見込める」という算定に根拠と合理性があったかどうか。実現できそうにもない困難な額を予想額としていた、売れ残った商品の見切りロスなどのシステムについて十分な説明がされていなかった、などということが証明できれば、契約解除、または違約金の減額ができる可能性があります。
また中小小売振興法では、直近事業年度の加盟店舗の推移や、加盟店との訴訟の件数を、契約締結の前に開示することが義務付けられています。これらの説明責任を果たしていない場合も、争点の1つになると考えられます。
・コンビニ問題は社会問題専門弁護士に相談
しかし、現実には不正確な情報提供だったと証明するには相当詳しい調査が必要で、実際にはなかなか難しいのです。また株価と同様に市場は変動しているので、採算性がなかったことを立証するのも困難。裁判になると自己責任を強調され、救済されないケースが多いようです。いずれにしても弁護士を立てて交渉しないと埒があかない難しい問題です。
まずはコンビニ・フランチャイズ問題を数多く手がけている弁護士を探して、相談することをおすすめします。「コンビニ・フランチャイズ問題弁護士連絡会」のホームページhttp://www.konbenren.net/からは、相談申込のFAX送信用フォームがダウンロードできます。
これからコンビニ経営を考えている人は、契約書にサインする前に、フランチャイズ問題の専門家に相談し、危険性を認識しておくことが、身を守るために最低限必要でしょう。
大手コンビニは日本フランチャイズ協会(JFA)に加盟していて、情報提供は正確に行わなければいけない、など自主基準を作っていますが、トラブルは後をたちません。本部が作成している契約(約款)の内容が加盟店にとって極めて不利益・不公正となっていることが原因です。
例えば、売り上げを全て一旦本部に納める「売上金全額送金制」を義務付けられている点。本部がロイヤリティや商品代金の決済、返品商品の廃棄ロスなどを算出した上で、利益のみを加盟店に戻すという会計システムなので、加盟店オーナーは経営者であるにも関わらず、会計の精査に一切タッチできないのです。
また契約上、廃棄ロスや棚卸しロス分にもチャージがかけられる仕組みになっていることが多く、売れ残りや万引きで実際には売り上げを上げていないのに、チャージが膨らみます。本部は商品が売れていなくても、損をすることはなく、加盟店の負担だけが大きくなっているのです。
加盟店救済のため、今後コンビニ・フランチャイズの規制をどのように行うのかは社会全体の問題で、重要な課題といえるでしょう。