隣人のカラオケ騒音について
●隣人のカラオケ騒音について
昼夜を問わないカラオケに迷惑
注意したらよけいひどくなった!
Q.
隣のご夫婦とは今まで挨拶する程度の付き合いで、特に仲が良くも悪くもありませんでした。ところがご主人がリタイアしてから、夫婦でカラオケに凝り始めたようで、昼夜を問わず大音量でカラオケをするようになりました。時々仲間も集まるようで、そんなときは昼から夜中までずっとカラオケの音楽や大勢の嬌声が聞こえてきます。
少しボリュームを下げてもらうようにお願いしましたが、そのときは謝ってくれたのに、その後も改められることはなく、それどころか嫌がらせのようによけいひどくなっています。来月には娘が出産で帰ってきます。こんな状況では孫が生まれても娘がゆっくりここで静養することができません。どうにかならないものでしょうか?
A.
騒音は環境基本法で定義されている典型七公害の1つであり、環境基準が設定されています。しかしカラオケ業者がマンションの一室を使っていて、それがあまりにうるさいので営業の停止を宣告された、という判例はありますが、近隣間でのトラブルの判例は過去に意外と少ないのが実情です。
・騒音測定器をレンタルして数値を計ってみる
騒音は非常にデリケートな問題で、うるさいと感じるかどうかは人によってかなりの差があります。その音が騒音かどうかの判断は主観的な感覚によるものであり、ある人にとっては好ましい音であっても、他の人にとっては騒音と認識されることもあるのです。実際のところ、「騒音がうるさい」という人の家を騒音測定器で測ってみたら、それほどでもない場合もあります。赤ちゃんがいる家や受験生を抱えている家では、音に対して通常以上に神経質になってしまうものです。
まずは騒音被害を受けていると実証するためにも、騒音測定器をリースして計ってみることをおすすめします。相手に改善を求めるにしても、客観的に示せる数値が分かったほうが、話が進めやすいでしょう。
騒音測定器については、お住まいの地域の自治体に、近隣騒音についてのトラブルなどの相談窓口が設けられているでしょうから、そこに問い合わせるとよいでしょう。自治体で騒音測定してくれる場合もありますし、リース会社を紹介してもらうこともできます。
騒音測定器で計測すると、時間経過とともに騒音の数値がグラフ化されるので、何時にどのくらいの音が出ているかが一目瞭然です。
そして騒音の受忍限度(我慢できる限界)は、過去の判例でいえば50~60デシベル程度で受忍限度を超えていると判断されたケースがありました。50デシベルといえば電話のベル程度の音。60デシベル以上の音が継続しているようであれば一般的な受忍限度を超えていると判断することができるでしょう。しかし、これも商業地域か住宅地域かなど、地域性によっても判断基準が分かれるところです。
いずれにしても騒音がもとで睡眠不足や集中力の低下、心理的不快感、イライラ、頭痛などが誘発される場合もあります。相手のお宅に行き、よく話し合うことをおすすめします。そのときに赤ちゃんがいるなど、こちらの事情も話し、測定した数値を資料にして話し合えば相手にもわかってもらいやすいでしょう。
・裁判所に訴えて調停または仮処分で解決へ
両者の話し合いでは解決できない場合は、最寄の簡易裁判所に「騒音差し止め」のための調停を申し立てます。調停員が両者の間に入って、解決できる方向に話し合いできます。
それでもダメな場合は、仮処分を行い、裁判所の保全係に、騒音の原因になっているカラオケを止めてくれるように申し立てをします。そうすると裁判所は相手を呼び出してカラオケをやめる、また防音設備をしっかりしてからカラオケをする、などの解決策を提示します。それにも関わらず受忍限度を超える騒音が出ていることが明らかならば、騒音を出すことを差し止める仮処分を出してくれる場合もあります。
相手方と折り合いが付けば和解すればよいし、ダメなら仮処分を申請することになりますが、この場合は弁護士に相談することをおすすめします。いずれにしても問題解決には多少の時間がかかるでしょう。その他に損害賠償を請求する、という手もありますが実際のところたいした額は認められないので効果的ではありません。