近所づきあいが負担なのに自治会に強制的に入らされそう
Q.
二世帯住宅を建ててマンションから一戸建ての住宅に引っ越してきたところ、近所の人から自治会に加入するように言われ、会費も年払いだと言われました。よく様子が分からないまま、自然に加入することになりましたが、回覧板が頻繁に回ってきたり、集会の誘いが来て出かけてみると長々と時間をとられたり、けっこうお付き合いが面倒です。
息子夫婦は共働きで昼間は不在ですし、私たち夫婦も旅行に出かけたりと不在にすることが多く、ご近所づきあいが負担です。そもそも自治会というのは絶対に入らなければいけないものなのでしょうか?自治会を脱退すると、近所の人から白い目で見られるのではないかと少々不安なのですが・・・
A.
ご近所づきあいは、日常的で大切な問題ですが、実はなかなか難しい問題でもあります。そもそも町内会・自治会とは、同一地域内に居住する住民が、お互いの親睦を図ると共に、行政機構の端末を補うような連絡活動を行い、地域生活の向上のために作られる組織です。戦前においては町内会への加入が義務付けられていた時期もありましたが、現在は任意です。
・自治会加入は任意法律的には入らなくてもOK
全戸加入となっている自治会が多いようですが、強制的に加入させるという法律的な根拠があるわけではありません。入る入らないはまったく個人の自由ですし、回避の支払いを拒否することもできます。
しかし加入しないことで、日常生活上不便が起こるケースもあります。例えば回覧板が回ってこないため地域特有の情報が得られない、災害防止の講習会に参加できない、ゴミを出す場所など重要なことを決める場合に知らない間に決められてしまうなど。昨今では防犯上の問題もあるかもしれません。
それらのデメリットもよく考慮して、自治会への加入を考えてください。加入しないのであれば、それなりの覚悟を。加入するのであれば、必ず規約の内容を確認しましょう。会費の支払いの他にも役員の持ち回りなど、思わぬ義務が課せられる場合がありますから。
相談者のようにお元気で、旅行で家を空ける機会が多く留守がちであれば、回覧板をまわしたり、自治会の集会に出たりするのは面倒なことかもしれません。
実際、たいていの人は内心は自治会の付き合いは面倒だなぁと思いながら、会員になっている人も多いのではないでしょうか。
しかしそうは言っても地域の環境を守るとか、高齢者福祉の問題、子供の安全や治安、災害が起きた場合の対処など、地域の人がコミュニティーを作って協力することは大切です。これは法律的な観点ではなく、あくまでも私の個人的な意見ではありますが、あまり毛嫌いせず、ほどよくお付き合いしていくのが無難かと思います。都会では近所づきあいが少なくなっていて、隣の人と会うのは回覧板を回すときだけ、ということもあるのですから。
・民主的に運営されているかなどを確認する
なお、自治会での集会などは、事前に議題の通知があって、みんなで議論して決められるような民主的な手続きがふまれているかどうかが大切です。
また、自治会費が年払いで、徴収の便宜のためにまとめて徴収すること自体は問題無いと思われます。住民の移動の多い地区の町内会では経理事務の負担を軽減するため、途中で脱会しても返金を認めない場合もあります。1年分くらいの会費の不返還なら、公序良俗違反(民法90条)とまではいえないと思われます。
いずれにしても、自治会の加入に関しては、法律的には何の制約も根拠もありません。とは言っても加入する「必要がない」とは言い切りにくい問題です。自分にとって、家族にとって今後必要かどうかよく考えて加入を決めてください。