法テラス

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夫の暴言がひどい 我慢できない妻は・・・

Q.
私の夫は殴ったり物を投げたりということはしませんが、しょっちゅう私に「バカ」だとか「死んでしまえ」「出て行け」と大声で言います。このため私はノイローゼになり、病院へ通っています。
夫がしていることは世間で言うところのDV(ドメスティックバイオレンス)なのでしょうか?本当は離婚したいのですが、生活のことを考えると離婚に踏み切れません。どうすればよいのでしょうか?

A.

・言葉による精神的苦痛もドメスティックバイオレンス

夫婦や恋人など、親密な関係にある男性から女性に対して行われる虐待をドメスティックバイオレンス(以下DV)と言います。
このDVとは身体に対する暴力だけがDVというわけではありません。暴言や罵倒するなどの精神的な暴力、生活費を渡さないなどの経済的暴力、外出や親族・友人との付き合いを制限する社会的隔離などのことも含まれます。相談者のように「バカ」「死んでしまえ」と言われるのも当然のことながらDVといえるでしょう。
ただ2001年10月に施行された”DV防止法”は「暴力の防止及び被害者の保護に関する法律」です。適用は、身体的暴力以外にも及びますが、裁判所の保護命令を出してもらえるのは、身体的暴力に限られます。


・各都道府県にある婦人相談の窓口に相談にいく

身体的なDVにあった人は地方裁判所に申立てをして、「保護命令」を出してもらいます。その内容は

1)6ヶ月間被害者の住居や身辺に近づかないよう命じる接近禁止命令
2)被害者と加害者が同居している場合、2ヶ月間その住居から退去するよう命じる退去命令

というものです。
今回のように言葉によるDVのケースではまず、各都道府県にある「配偶者暴力相談支援センター」などに相談することをおすすめします。実際には「婦人相談所」「女性センター」などという名称が使われています。そこでは相談・カウンセリング・一時保護・シェルター(保護施設)の利用と情報提供などが行われます。
また民間の相談機関ではドメスティックバイオレンス共済会というのもあります。ここでは被害者のための救済や自立支援、対象者との和解(問題の解決)まで、被害者の立場になってサポートし、危険度チェックや離婚に関する相談も受けつけています。


・別居して生活費の支払いを命じることができる

「本当は離婚したいのですが、生活のことを考えると離婚できません」ということですが、場合によっては別居して生活費を支払ってもらうということも可能です。そのためには家庭裁判所への申し立て→調停→調停でまとまらないときは審判、という流れになります。夫や本人の収入、子供の年齢など、諸々のことを考慮し、月々の生活費の支払額が決められます。
もちろん離婚をして慰謝料、財産分与をしっかりもらうという選択もあります。DVというのは慰謝料の請求対象になります。その場合、DVの被害者である、という証拠が必要になります。肉体的暴力の場合は、医者の診断書なども取りやすく証明しやすいのですが、相談者のように暴言による精神的苦痛の場合は証明がしにくくなります。暴言が原因で鬱状態になったり、頭痛が起きたり動悸が激しくなるなどの体調不良があるのでしたら、心療内科や精神科などで診察を受け、診断書を出してもらいましょう。
別居をして生活費を支払ってもらうか、きっぱり離婚するか。どちらがよいかは、夫の収入や財産の状況によっても異なります。弁護士会などの相談機関に相談し、判断することをおすすめします。
また夫のほうではそんなに酷い暴言を吐いているという自覚がない場合もあります。夫が冷静なときに録音したものを聞かせ、「こんなに酷いことを言っている」と自覚させるのも一つの方法かもしれません。夫側に直そうという意識が芽生え、夫もカウンセリングを受け改善されれば、別居や離婚を回避できる可能性もあるでしょう。
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