マンションでの階下への水漏れ 責任は誰がどのようにとるの?
Q.
マンションの5階に住んでいるのですが、新しく購入した洗濯機が水漏れをおこし、階下に迷惑をかけてしまいました。
洗濯機は購入したときに、買った店の人に設置してもらったのですが、排水のホースが外れていたらしく、水が階下に漏れてしまったのです。
階下への保障などは、どうすればよいのでしょうか? 設置した業者に責任を問えますか?もし保障が必要として、どうやって保障金額を決めればよいのでしょうか?
(57歳 女性)
A.
マンションでの水漏れ、これはなかなか大変なことです。しかも相談者は5階に住んでいるということですから、場合によってはすぐ下の階だけでなく、3階、2階、1階とずっと下の階まで、水漏れの被害が及んでいる場合があります。
まず第一にやるべきことは、迷惑をかけた階下の住人に謝罪し、水漏れによる被害の状況を把握し、損害の内容をチェックすることです。
被害がずっと階下まで及んで被害金額が大きかったり、絵画や美術品など金額の張るものに損害が出ているような場合は、弁護士など専門家に間に入ってもらい解決することをおすすめします。
・洗濯機の取り付けミスを証明することが必要
洗濯機を販売し取り付けた業者に責任を問えるか、という点ですが、設置の仕方にミスがあった、あるいは製品そのものに問題があった、ということを証明することが必要となります。
普通、洗濯機を設置してもらって、初めて使用したときに水漏れしたということであれば、取り付けの際に過失があったか、製品に問題があったいうことが容易に判断できます。洗濯機を販売した家電業者は、それを運搬し取り付けるところまでを契約の中身と解釈できるので、業者に対して責任を問うことができると思います。
ただ、それをすんなり認めてもらえるかどうかは別問題。排水ホースが外れていたり、ジョイント部分から水漏れしていたというのであれば、その状況の写真があれば証拠となり証明しやすいでしょう。設置ミスがあったことが証明できないときは、最悪の場合、水漏れの責任はすべて相談者であるあなたの責任となり、階下へ保障をしなければなりません。
水漏れによる損害額の査定については、通常予想される範囲では壁紙やカーペットのシミ、衣類、バッグ、寝具、などへの被害です。
衣類やバッグ、寝具はクリーニングに出してシミ抜きをしてもらうようにし、壁紙などのインテリアに関してはリフォーム業者に補修の見積もりをとってもらいます。
しかしクリーニングに出しても完全に修復できない場合、或いは修復するのに費用がかかりすぎてしまう場合は、交通事故の“物損”と同様に考えることもあります。
交通事故で車と車が衝突した場合、車の修理価格が、その時点の車の市場価格を越えてまでもは請求できない、ということになっています。これと同様に考えれば、あまりにも保障価格が高い場合、水に濡れてしまった衣類やバッグ、寝具の中古価格以上に保障する必要はない、ということになります。持ち主にとって大切なもので、ブランドものや高級品であっても、衣類やバッグ、寝具については、中古価格はそんなに高額にはならないでしょう。
建物については修復しようとしても修復しきれないくすみなど、後遺症のようなものが残った場合、かかったリフォーム費用に2~3割プラスして支払わなければならないケースもあります。
いずれにしても階下の被害を受けた全所帯の人に集まってもらい、公平に解決する意志があることを示すようにしましょう。
・個人損害賠償保険に入っておくと安心できる
洗濯機を取り付けた家電販売会社が責任を認めた場合は、販売会社がそういう時のために保険に入っている可能性があります。そうすれば保障に対する具体的な折衝は保険会社にゆだねることができるでしょう。
今回は洗濯機の水漏れということで原因がはっきりしていますが、中古マンションなどでは配管が老朽化して、気付かないうちに水漏れを起こしてしまうケースが多々あります。これが共用部分の老朽化であれば保障については管理組合などで話し合われいますが、住人の専有部分であれば、その持ち主が保障しなければなりません。目に見えない部分からの水漏れであることも多いので、水漏れの原因を特定することはなかなか難しいのでが現実です。
いずれにしてもマンションの階上に住んでいる場合は、転ばぬ先の杖として「個人賠償責任保険」に入っておくことをおすすめします。
マンションで水漏れ事故がおきたとき、厄介なのは交通事故などと異なり、事故の当事者同士が上下で住んでいて、嫌でも顔を合わせるということです。できればしこりを残さないようスムーズに解決して、お互いストレスをためずに暮らせるようにしたいものです。